腰部・殿部の筋
腰部、殿部の筋は「内寛骨筋(ないかんこつきん)」「外寛骨筋(がいかんこつきん)」に分けられます。
内寛骨筋(ないかんこつきん)
腸腰筋(ちょうようきん):腸骨筋は以下の3つの筋からできています。
腸骨筋(ちょうこつきん)
大腰筋(だいようきん)
小腰筋(しょうようきん)
外寛骨筋(がいかんこつきん)
大殿筋(だいでんきん)
中殿筋(ちゅうでんきん)
小殿筋(しょうでんきん)
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
※ 腰方形筋(ようほうけいきん)←外寛骨筋には含まれない
深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)
梨状筋(りじょうきん)
双子筋(そうしきん)
内閉鎖筋(ないへいさきん)
外閉鎖筋(がいへいさきん)
大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
腸骨筋(ちょうこつきん)
起始:腸骨の上縁および内面(腸骨窩)から起こり、下内側方に向かう
停止:大部分は大腰筋の内側に合し、一部は筋裂孔をへて直接に大腿骨の小転子
作用:大腿骨を、外側方に転ずる
神経:腰神経叢筋肉指
大腰筋(だいようきん)
起始:深・浅2頭を区別し、浅頭は第12胸椎~第4腰椎の椎体および肋骨突起から起こり、深頭はすべての腰椎の肋骨突起から起こる。ついに、両頭は合して下外側方に走る(両頭の間には腰神経叢があり、両頭をへだてる)
停止:筋裂孔をへて、大腿骨の小転子
作用:股関節を屈し、大腿骨を前上方に挙げ、同時に外旋する。下肢を固定するときは、腰椎および骨盤を前下方に引く
神経:腰神経叢筋肉枝
小腰筋(しょうようきん)
起始:第12胸椎および第1腰椎の椎体外側面から起こり、大腰筋の前面を下る
停止:腸骨筋膜に分散し、これとともに腸恥隆起にゆく
作用:腸骨筋膜を張り、椎体を外側方にまげる
神経:腰神経叢筋肉枝
大殿筋(だいでんきん)
起始:腸骨翼の外面で、後殿筋線の後方・仙骨および尾骨の外側縁・胸腰筋膜・仙結節靭帯から起こり、下外側方に走る
停止:大転子を越え、浅層は大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯にうつり、深層は大腿骨の殿筋粗面につく
作用:股関節の伸展
神経:下殿神経
中殿筋(ちゅうでんきん)
起始:腸骨翼の外面で前および後殿筋線の間、腸骨稜の外唇および殿筋膜から起こり、前部は後下方、中部は下方、後部は前下方に向かう
停止:大転子尖端の外側面
作用:大腿の外転
神経:上殿神経
小殿筋(しょうでんきん)
起始:腸骨翼の外面で前殿筋線と下殿筋線との間、または下殿筋線の下方から起こり、筋束は集まって下外側方に向かう
停止:大転子の内側面
作用:大腿の外転
神経:上殿神経
腰方形筋(ようほうけいきん)
起始:その前部は下位3~4腰椎の肋骨突起から起こって上外側方に向かい、後部は腸骨稜および腸腰靭帯から起こって上内側方に向かう
停止:前部は第12肋骨の下縁、後部は上位3~4腰椎の肋骨突起および第12肋骨
作用:両側が働くと第12肋骨を引き下げ、一側が働くと腰椎をその側にまげる
神経:第12胸神経の枝、第1~第3腰神経の枝
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
起始:上前腸骨棘から起こり、大転子の前をへて腸脛靭帯にうつり、下方に向かう
停止:脛骨の外側顆
作用:大腿筋膜を張り、下腿を伸ばすと脛骨を外転する
神経:上殿神経
深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)
深層外旋六筋は
「梨状筋(りじょうきん)」
「内閉鎖筋(ないへいさきん)」
「外閉鎖筋(がいへいさきん)」
「上双子筋(じょうそうしきん)」
「下双子筋(かそうしきん)」
「大腿方形筋(だいたいほうけいきん)」
があります。
梨状筋(りじょうきん)
起始:仙骨の前面で上方にある3つの前仙骨孔の間および傍らから起こり、筋束は外側方に向かって集まり大坐骨孔を通って骨盤腔を出る
停止:大転子の上縁
作用:大腿を外側方に回転する
神経:仙骨神経叢
内閉鎖筋(ないへいさきん)
起始:寛骨の内面(弓状線の下)で閉鎖膜およびそのまわりから起こり、筋束は後方に向かって集まり、小坐骨孔の辺縁にかかって直角に方向を転じ、前外側方に進み骨盤を出る
停止:大腿骨の転子窩
作用:大腿を外側方に回転する
神経:仙骨神経叢
外閉鎖筋(がいへいさきん)
起始:寛骨外面の閉鎖孔縁および閉鎖膜から起こり、大腿骨頚の後面を外側方に走る
停止:転子窩
作用:大腿を外側方にまわすともにこれを挙げ、また内転する
神経:閉鎖神経
上双子筋(じょうそうしきん)
起始:坐骨棘
停止:内閉鎖筋の腱に合する
作用:大腿を、外側方に回転する
神経:仙骨神経叢
下双子筋(かそうしきん)
起始:坐骨結節
停止:内閉鎖筋の腱に合する
作用:大腿を、外側方に回転する
神経:仙骨神経叢
大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
起始:坐骨結節から起こり、方形をなし外側方に向かう
停止:大転子の下部および転子間稜
作用:大腿を、外側方にまわす
神経:坐骨神経