間欠性跛行を起こすのは脊柱管狭窄症だけではありません。
以下に上げる疾患も間欠性跛行を起こすことがあります。
※間欠性跛行とは、しばらく歩くと足の痛みやしびれで歩けなくなり、休憩をするとまた歩けるようになる症状
【症状】
歩くと痛みやしびれでつらくなり、休憩をすると痛みが軽減する間欠性跛行を呈する。
しかし脊柱管狭窄症のように、前屈の姿勢でなくても痛みは軽減する。
間欠性跛行は比較的、片側性に起こる。
足にしびれや冷感が現れるが、そこに限ったことではなく全身性に現れることもある。
脳血管障害(脳梗塞)や虚血性心疾患(心筋梗塞)の合併が多い。
動脈瘤や動脈解離などを引き起こすこともある。
閉塞している先では脈拍を触知しにくくなったり冷感を伴ったりすることがある。
進行度によりⅠ~Ⅳ度に分けられる。「Fontaine(フォンテイン)分類」
Ⅰ度:無症状・しびれ・冷え
Ⅱ度:間欠性跛行
Ⅲ度:安静時疼痛
Ⅳ度:潰瘍・壊疽
【好発年齢】
50代以降の男性に多く、次に上げるバージャー病に比べ太い血管に起こる。
閉塞性動脈硬化症の原因は生活習慣病で、糖尿病をはじめ高血圧、高脂血症、メタボリックシンドロームなどがある。
喫煙もリスクが高まるとされている。
【診断】
足首と上腕部で血圧を計り、その比較を調べる「足関節上腕血圧比(ABI)」が0.9以下だと閉塞性動脈硬化症が疑われる。(足関節の血圧が低下している状態)
【治療】
まずは生活習慣の改善を行う。
糖尿病や高血圧、高脂血症などに対しての治療も行っていく。
喫煙者は禁煙も重要になる。
運動療法や薬物療法、症状によってカテーテルや外科治療も行うことがある。
バージャー病(閉塞性血栓血管炎):難病指定47(こちらもご覧ください)
【概説】
明確な原因がなく血栓や血管炎を発症し、動脈が閉塞する疾患。※動脈硬化ではない。
四肢の末梢血管に閉塞をきたす疾患で、その結果、四肢や指趾の虚血症状が起こる病気。
下肢の動脈に起こることが多い。
【症状】
間欠性跛行が起こる。
初期には冷感、しびれ、蒼白化があり、進行すると安静時疼痛や、虚血が高度になると四肢の潰瘍や壊死ができることもある。
【好発年齢】
男性が多く殆どが喫煙者で、20歳代から40歳代を中心に多く発生する。
原因は不明だが、四肢末梢血管の 炎症 (血管炎)に起因するものと考えられている。
【診断】
50歳未満で喫煙しており、血管の閉塞がある。
血液検査を行い慢性動脈硬化症など他疾患との鑑別を行う。
【治療】
受動喫煙を含めた禁煙を厳守する。
患部の保温や靴ずれなどの怪我からの保護をする。
薬物療法やバイパス手術を行うこともある。