今まで腰痛と無縁の生活を送っていた女性でも、妊娠をきっかけにして腰痛になる人もいます。
今回は妊娠と腰痛がどのように関係しているかを説明していきます。
妊娠と腰痛
妊娠するまでは腰痛の経験がなかった人でも、妊娠後から腰痛になることもあります。
人によっては妊娠3週目頃から腰痛を感じることもあるようです。
妊娠するとリラキシンやプロゲステロン、エストロゲンといったホルモンの分泌量が増えていきます。
これらのホルモンは出産に向けて産道を広げるために、骨盤周りの関節や靭帯を緩める働きを持っています。
関節や靭帯が緩んでしまうことで、骨盤や腰椎が不安定になっていきます。
その不安定な関節を支えるため、腰周りや骨盤周りの筋肉の負担が増えてしまい、腰痛が多くなるといわれています。
さらに妊娠初期はつわりなどにより姿勢の悪化や動きの減少などで、腰痛につながっていきます。
妊娠後期になると胎児も成長して、おおよそ10㎏ほど体重が増加します。
(※体重の増えすぎも良くありませんが、体重が増えないことも良くないそうです)
妊娠後期になりお腹が大きくなってくると、身体の重心は前に移っていきます。
重心が前に移ると、腰椎のカーブが強くなり「反り腰」になります。
ただでさえ体重増加により腰への負担は増えているのに、反り腰になることで更に負担は増えていきます。
妊娠中はストレスや不安なども大きく、自律神経の乱れから腰痛につながると考えられます。
実に妊婦さんの約70%に腰痛があるという報告もあります。
妊娠中の腰痛対策
体重増加は妊娠していなくても腰痛の悪化を招きます。
妊娠中はなかなか動くことが出来ないこともあり、筋肉が落ちやすくなっています。
きちんとした体重管理は妊娠後期になるほど、腰痛悪化の抑止になります。
(※体重増加だけでなく、体重が増えないことにも気を付けてください。人にもよりますがおよそ10kg前後の増加は正常のようです。)
妊娠初期ではつわりが辛いため机に寄りかかったり、座椅子にもたれかかったりした姿勢を取ることもあります。
長時間、そのような姿勢を取っていると腰痛の悪化に繋がります。
また妊娠後期では反り腰になりやすくなっています。
辛い時は仕方ありませんが、なるべく良い姿勢を心掛けるようにしてください。
ホルモンの影響で骨盤周りは不安定になり、そこから腰痛になることもあります。
さらしや骨盤ベルトで骨盤を安定させると痛みの軽減につながります。
妊娠中は運動不足になりやすく筋肉も落ちて、血流の低下を招きやすくなります。
ウオーキングや軽いストレッチなどを行うことも効果的です。
体調や気分が良い時は、無理をしない範囲で軽い運動を行うようにしてください。
お風呂に入り身体を温めることで、腰痛の予防やリラックス効果が得られます。
40度前後のぬるめのお湯で、10分ほどを目安にのんびり浸かりましょう。
寒い季節は足湯も良いでしょう。
ふくらはぎまで温めることで、全身の血行が良くなります。
整体やマッサージを受けるのも良いですが、ご主人に腰をさすってもらうだけでも十分な効果はあります。
ご夫婦の絆を深めて、生まれてくる我が子に思いを馳せながら、水入らずの時間を過ごすことも大切です。